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2006年10月31日

繰り上げ返済・新規ローン設定時のポイント

実践に入る前にちょっと確認です
実践なさる前に一応伝えておきたいのですが、
「住宅ローンの繰上げ返済はそんなにお得じゃない」とおっしゃる方もいます。
その理由は、現在は住宅ローン減税により表面利率より実質金利が0.8%程度安くなり、
そもそもまだまだ低金利ですから、

「実質金利は過去に例を見ないほどに安く、借りていた方がお得だから」

という考え方です。その考え方も当然正しいと思います。

そのあたりをどう考えるかはその方の置かれた立場との相談になるでしょう。
(バブルの頃に高い金利で借りたまま借り換えしてない方には当てはまりませんが・・・)
例えば近い将来事業でも起こそうとか、自分の将来への投資のために学校へ行こうとかお考えの方は、
余裕資金を繰上げ返済で使ってしまうと近い将来には結局、
もっと高い金利で借金をしてお金を調達する事になりかねませんから、
返さずに置いておいた方が得だと言う事になるかもしれません。

そういった方にも実は「住宅ローン繰上げ返済」またはそれに準じる良い方法があるのですがそれは次の節で。


しかし、当面使い道のない完全な余裕資金があり、どう運用して良いかも解らないという方には
やっぱり繰上げ返済がおすすめだと思います。


さてそれでは、実践するに当たってのポイントをそれぞれの場合によって見ていきましょう。

これからローンを組む方、もしくは借り換えする方
これからローンを組む方はあらゆる方策を講じる事が出来る、本書の読者の中で最もラッキーな方です。
ローンを組む前によく検討すれば、支払い総額をより減らす事が出来るでしょう。
(しかし現在返済中の方も「借り換え」と言う手段でローンを根本から見直す方法もあります。
特にバブルの頃に借りたまま、借り換えをしていない方は早急な借り換えをお勧めします。)

銀行選びで最も解りやすい指標「利率」
ローンを組む際にまず第一に検討するのが「どこから借りるか?」です。
何より大事なのは「利率」です。
コンマ数%の違いが30年と言う長い期間で支払い総額を何十万円と変化させる要因になります。
他がまったく同じ条件ならばちょっとでも利率が低いところを選びましょう。

ただし、特殊な条件が色々とお得度を左右する事もあります。
たとえば、お勤めの会社によっては利子補給制度があったり
会社が低利で貸してくれたりと言う事があるでしょう。
会社にこういった制度がある場合は、それがあなたにとって最良の選択になることも多いと思います。
まずは、会社に住宅取得に関する援助制度があるかどうかを調べてみる事をお勧めします。

そういった制度が無い場合も購入する住宅を販売・仲介している不動産業者が提携している
金融機関があれば多少の利子優遇があります。
また、各銀行が金利優遇キャンペーン等も行っていますので、
その時点であなたが一番安い金利で借りられる所はローンを借りる主要候補になるでしょう。
しかし、新しい銀行などは利子では単純に比較できない
とても斬新で魅力的なサービスを行っているところがあります!

それはまた次回ということで・・・

2006年10月21日

繰り上げ返済のお得度考察 その3

我が家も1月の変動金利上昇までに、一度繰り上げ返済することになりそうですよ。
まあ、そんなにお金は無いんですが・・・

そんなこんなで、この間の続き・・・

「元利均等払い方式」「期間短縮型」の繰上げ返済のカラクリ

繰り上げ返済で、なぜ総支払額がこんなにも減るのでしょうか?

これは簡単に言うと返済当初に銀行が得られるはずの「べらぼうな利息」を
自分たちの物にする事が出来るからなんです。
と言うか、いっぱい取られるはずだった利子が浮くわけです。

先ほどの「元利均等払い方式」のイビツな支払いルールで
銀行はローン返済初期に大きな利益(利息)を得る事が出来ます。

下の図3は前出の返済予定表(図2)の支払い年数と年間総支払額、年間元金返済額、
年間利子支払額と関係をグラフにあらわしてみたです。

個別ページへ続きます。続きを読むをクリック!

返済初期のころは支払った額のほとんどが利息の支払いに当てられて、
元金がなかなか減らないのがこの図もから見て取れます。
しかし、「期間短縮型」で繰上げ返済の場合は支払額はすべて元金の返済になります。
グラフ中の赤い部分が先ほどの繰上げ返済で払った元金部分です。

そして元金の上の利息の部分(灰色)は全く支払う必要がなくなるのです。

グラフを見ればよく解ると思いますが、本来ならば銀行側から見て
住宅ローンを融資する事によって最も利益率が高く笑いが止まらないのがローン返済の初期です。
その時期に繰上げ返済をする事によって、
銀行の利益になるはずだった部分がまるまるこちらに帰って来る訳です。

もう皆さん繰上げ返済の威力をご理解頂けましたね!
下手な投資法より高いリターンを上げられるだけでなく、
投資と違い「やったら必ず即座に成果がある」訳ですから、
余裕があるならこの制度を利用しない手は無いでしょう。


それでは次回は「実践編」です。

2006年10月16日

繰り上げ返済のお得度考察 その2

「元利均等払い方式」の詳細
元利均等払い方式は読んで字のごとく、元金と金利を合わせた支払額を毎月均等に払っていく方式です。
毎回同額を返済していくので割合計画は立てやすいです。
途中の金利変動によって支払額が増減する可能性はありますが金利が変動しなかったとすると金利返済額と元金返済額の和が一定となるようになっています。
その結果どういうことが起こるのか?

「最初のうちは支払額に対する金利の割合がメチャメチャ高いです。」

モデルケースの場合の毎年の支払い額と元金、金利の一覧を図2の表に示します。
返済開始から浅い年数の時期の総返済額、元金返済額、金利分返済額に注目してください。

2. 返済額一覧

返済年数 返済回数 返済額 返済済み金額 ローン残高
返済額(年) うち元金分 うち金利分 毎月 返済額 月返済分 総残高
返済分合計 累計 残高
01年目 0012回 1,517,772 626,338 891,434 1,517,772 1,517,772 29,373,662 29,373,662
02年目 0024回 1,517,772 645,388 872,384 3,035,544 3,035,544 28,728,274 28,728,274
03年目 0036回 1,517,772 665,018 852,754 4,553,316 4,553,316 28,063,256 28,063,256
04年目 0048回 1,517,772 685,246 832,526 6,071,088 6,071,088 27,378,010 27,378,010
05年目 0060回 1,517,772 706,087 811,685 7,588,860 7,588,860 26,671,923 26,671,923
06年目 0072回 1,517,772 727,565 790,207 9,106,632 9,106,632 25,944,358 25,944,358
07年目 0084回 1,517,772 749,693 768,079 10,624,404 10,624,404 25,194,665 25,194,665
08年目 0096回 1,517,772 772,497 745,275 12,142,176 12,142,176 24,422,168 24,422,168
09年目 0108回 1,517,772 795,992 721,780 13,659,948 13,659,948 23,626,176 23,626,176
10年目 0120回 1,517,772 820,204 697,568 15,177,720 15,177,720 22,805,972 22,805,972
11年目 0132回 1,517,772 845,151 672,621 16,695,492 16,695,492 21,960,821 21,960,821
12年目 0144回 1,517,772 870,857 646,915 18,213,264 18,213,264 21,089,964 21,089,964
13年目 0156回 1,517,772 897,344 620,428 19,731,036 19,731,036 20,192,620 20,192,620
14年目 0168回 1,517,772 924,639 593,133 21,248,808 21,248,808 19,267,981 19,267,981
15年目 0180回 1,517,772 952,762 565,010 22,766,580 22,766,580 18,315,219 18,315,219
16年目 0192回 1,517,772 981,741 536,031 24,284,352 24,284,352 17,333,478 17,333,478
17年目 0204回 1,517,772 1,011,602 506,170 25,802,124 25,802,124 16,321,876 16,321,876
18年目 0216回 1,517,772 1,042,371 475,401 27,319,896 27,319,896 15,279,505 15,279,505
19年目 0228回 1,517,772 1,074,076 443,696 28,837,668 28,837,668 14,205,429 14,205,429
20年目 0240回 1,517,772 1,106,744 411,028 30,355,440 30,355,440 13,098,685 13,098,685
21年目 0252回 1,517,772 1,140,407 377,365 31,873,212 31,873,212 11,958,278 11,958,278
22年目 0264回 1,517,772 1,175,094 342,678 33,390,984 33,390,984 10,783,184 10,783,184
23年目 0276回 1,517,772 1,210,836 306,936 34,908,756 34,908,756 9,572,348 9,572,348
24年目 0288回 1,517,772 1,247,664 270,108 36,426,528 36,426,528 8,324,684 8,324,684
25年目 0300回 1,517,772 1,285,613 232,159 37,944,300 37,944,300 7,039,071 7,039,071
26年目 0312回 1,517,772 1,324,716 193,056 39,462,072 39,462,072 5,714,355 5,714,355
27年目 0324回 1,517,772 1,365,009 152,763 40,979,844 40,979,844 4,349,346 4,349,346
28年目 0336回 1,517,772 1,406,526 111,246 42,497,616 42,497,616 2,942,820 2,942,820
29年目 0348回 1,517,772 1,449,308 68,464 44,015,388 44,015,388 1,493,512 1,493,512
30年目 0360回 1,518,684 1,493,512 25,172 45,533,236 45,533,236 0 0


驚きましたか!?

初年度の支払い合計が151万数千円であるのに対し、その内元金返済にあてられるのはわずか41%強の62万数千円に過ぎません。

これじゃあ、元金が減らない→借入元金に利子がたくさんつく→利子に利子がつく・・・と悪循環に陥っている感じがします。

まるで、銀行が利子を取りはぐれないように先取りしているように見えてなりません!

しかし、一見この銀行に有利なローン返済方式を逆手に取った私たちの反撃方法が本題の「繰り上げ返済」なのです。

 

定期預金の金利がコンマ何パーセントと相変わらずのご時勢、手持ちにちょっとまとまったお金があって運用しようと思っても、どうしていいかなかなかわかりませんよね?

繰り上げ返済の2方式

繰り上げ返済には2方式があります。「期間短縮型」と「返済額圧縮型」の2つです。

「期間短縮型」はローンを先払いする形で支払い期間を短縮します。「返済額圧縮型」は返済期間を変更せずに月々の支払い額を軽減する方法です。双方とも利子削減の効果はありますが、その破壊力では圧倒的に「期間短縮型」に軍配が上がります。


例ですが、モデルケースでローン支払い開始からちょうど一年で200万円を繰り上げ返済したと仮定すると「返済額圧縮型」を選択した場合の支払利子削減効果は99万6千円ちょっとなのに対し、「期間短縮形」を選んだ場合の支払利子削減効果は2562千円ちょっと。「期間短縮型」って、カッコイイですね!惚れてしまいますね!(笑)


200万円を返済したら、本来よりも支払い総額が256万円減ったわけですから、これを投資とみなすと投資した瞬間に+128%の利益を得られるわけです。利子のつかない定期預金に眠らせておくお金があったら、「即!繰り上げ返済」と行きたいところですね!

ではその破壊力がどこから来るのかでしょうか!?

次はそのカラクリを解き明かしてみましょう。

2006年10月10日

繰り上げ返済のお得度考察 その1

今日は繰り上げ返済のお得度についての考察です。

★基準となるモデルケースの設定
これから、さまざまな比較を行う場合の優劣を計算で求めるために基準を決めておきます。
かなり適当なんですが・・・
ローン総額:3000万円
金利:3%(今後の金利上昇を見据えて)
返済期間30年

そんじょそこらの投資法を圧倒する確実なリターン
世の中にはいろいろな投資法が存在しますが、
その中で絶対に利益を上げられるものといったらどれ位あるでしょうか。
また「確実が一番」と定期預金などの元本保証の投資を見てみても低リスクと引き換えに、
リターンもすずめの涙・・・。
定期預金の金利なんて子供のお気遣い程度と嘆いておられる方も多いでしょう。


そんな中で「住宅ローンの繰上げ返済」は確実にそれなりのリターンを得る事が出来ます。
特に条件によっては(ローンを組んでから年数があまりたたないうちは)とても高い効果が期待できます。
正確には借金を返すわけですから「投資のリターン」と言うのは語弊があるかもしれませんが、
黙っていれば必ず払うべき借金総額が減るわけですから、
その行動によって払わずに済む差額を「利益」と考えても差し支えないと思います。

で、どのくらい効果があるかと言うと、
「100万円繰り上げ返済したら総支払額が200万円減った!」なんて事も実際に結構であるんですよ。
本当です。

投資とみなせば100万円でリターンが200万円。利益が100%!
投資金額が実行と同時に即座に二倍!!
どうしてそんな事になるんでしょうか?住宅ローンの仕組みを見てみましょう。

ローンの仕組み

二つの返済方法
ローンの支払い方法には「元利均等払い方式」と「元金均等払い方式」の2種類があり、
たいていの場合みなさんは「元利均等払い方式」を選択なさっていると思います。
なぜならば民間の金融機関は「元金均等払い方式」を選択できない場合が多いですし、
毎月の支払額が一定ではなく当初の支払い負担がとても多いので、
もし選択できても敬遠されやすいのではないのでしょうか。
ローン支払い当初は皆さんまだ比較的若いですから、何かと物入りな割りにお給料は少ないでしょう?

では2つの支払い方法の特徴とメリット・デメリットを示します。

返済方法 特徴 メリット デメリット
元利均等
返済方式
毎回の返済額(元金+利息の合計)が同じになるように返済する方法。 毎回の返済額が同じなので、長期にわたる返済計画が立てやすい。 返済当初ほど利息の返済にあてられる割合が大きく、借入れ元金がなかなか減らない。そのためトータルの総支払額が多くなる。
元金均等
返済方式
借入元金を返済回数で割った額に残高に対する利息を加えて返済する方法。 毎回、一定額の元金を返済していくので、「元利均等返済」に比べてローン残高を確実に減らすことができ、トータルで支払う利息は少なくなる 当初の返済額が大きく、返済負担が重いため、あまり現実的でない。

「元利均等払い方式」と「元金均等払い方式」の比較
モデルケースの場合、「元利均等払い方式」を選択した場合の30年間の支払い総額は4,553.1万円、
支払い金利総額が1553.1万円。初回返済額は元利合計で12万6,481円。
「元金均等払い方式」を選択した場合の30年間の支払い総額は4,353.8万円、
支払い金利総額が1,353.8万円。初回返済額は元利合計で15万8,333円。

その2つの総支払額の差は、なんと199万円にもなります!

お金に余裕のある方で金融公庫の融資を受ける方等は検討してみても良いかも知れません。
しかし、「元金均等払い方式」は民間の金融機関ではほとんど選択できないわけですから、
その差額は繰り上げ返済で取り返す事にして、今後は「元利均等払い方式」についてのみ検討します。

それにしてもたかだか3%の利子も、利子に利子がついていくと恐ろしい額になりますね・・・

これが複利の怖さと言うことでしょうか。